最初で最後のパチンコ体験記

前回もギャンブルの話でしたが、今回ももう少しギャンブルの話。

私もギャンブルを毛嫌いしているわけではありません。競馬なりパチンコなり、それぞれ数回ずつはやったことがあります。ただ、個人的には全然楽しめない。そんなギャンブルに鈍い男の話だとお考え下さい。


私が高校生の頃、周りでは結構パチンコが流行っていました(おいおい)。以前にも書きましたが、私の通っていた府立高校は自由な校風でして、先生方が生徒の私生活に口をはさむことはほとんどありませんでした。しかも制服が無く私服ですから、帰り道に(場合によっては授業をサボって)パチンコ店や雀荘に行く生徒もいるわけです。雀荘で生徒と先生がバッタリでくわして、挨拶を交わすなんてことも時々あったそうで(笑)。

そんなわけで、パチンコの腕がプロ並みなんていう友人もいたりするわけです。そういう友人から、「宮田もパチンコ行こうぜ!おもしろいぞ~。それに儲かるし!」と誘われるわけですが、どうも興味が持てません。クラブ活動なり勉強なりで忙しいですし、趣味に割ける時間は音楽や読書やバイクの方に使いたい。で、高校生時代はパチンコや雀荘を経験しないまま卒業しました。それが普通なんですけれど(笑)。

パチンコを初めてやってみたのは、18歳の頃。志望していた大学に入学して一段落ついた時期です。大学の帰り道、京都の三条に寄ってプラプラと歩いていると、パチンコ屋の看板が目に入りました。

「そういえば、パチンコ好きなヤツがすごく楽しいって言ってたなぁ。一度やってみるか。もう18歳になっているし。」

何気なく入ったパチンコ店の煙たいこと煙たいこと。タバコが大の苦手の私はこの時点で意気阻喪してしまいそうです。まぁ、折角だしと思って1000円ほど玉を購入して打ってみましたが、一瞬にしてパチンコ台に吸い込まれてしまいました。貴重な1000円なのに~!私は目が悪いんですが、その日は眼鏡をかけていませんで、眼でパチンコ玉を追いかけるのもすごく疲れます。

何が面白いのかさっぱり分からない(笑)。しかも1000円が水の泡。「おいおい、何やねんこれは。こんな苦痛を味わうならバイト代を払って欲しいぐらいやで」と心の中でブツブツ文句を言った覚えがあります。


後日、念のため、別の店でパチスロ(スロットマシーンのようなもの)もやってみたんですが、これまた同様の結果。クルクル回るスロットを見るのも邪魔くさいなと思っているうちに、1000円のコインは台に吸い込まれてゆきました。

と、隣に座っているおっちゃんを何気なく見てみると、ものすごくリズミカルに体が動いている。何やこのおっちゃん。さりげなく観察してみると、コインを1枚入れた後、何らかの規則に従ってボタンを押している様子。するとコインが2枚、必ず台からはき出されます。百発百中です。

おそらくこのおっちゃん、(合法的にか違法にかは知りませんが)何らかの規則性を知っていて、コインを稼いでいる様子。「うわっ、これやったら儲かるやん!財産2倍だよ!」と一瞬思ったんですが、よく考えてみると、コイン投入→スロットマシンを稼働させる→眼を酷使してタイミングを計る→コインを2枚ゲットというプロセスが必要ですから、かなりの時間を投入せねばなりません。しかもそのプロセス1回で、差引1枚しか儲かりません。そもそも空気の悪い場所は苦手ですし、やっていて全然楽しめない。普通のバイトより労働感が強いとでも言いますか。

何か素直にバイトでもやってた方が楽しいし儲かるよな、というのがその時の感想。そしてその感想は今も変わっていません。今考えてみると、ギャンブルで身を持ち崩さない自信が付いた分、いい投資だったのかもしれません。