さればよ 子ども手当満額支給断念

古語に「さればよ」という表現があります。「思ったとおりだ。案の定だ。それごらん。」という意味です。

例えば、蜻蛉日記にこんな部分があります。夫婦仲がうまく行っていない女性のモノローグだと思って下さい。

これより、夕さりつ方、「内裏にのがるまじかりけり」とて出づるに、心得で、人をつけて見すれば、「町の小路なるそこそこになむ、とまり給ひぬる」とて来たり。さればよと、いみじう心憂しと思へども、……

意訳してみるとこんな感じです(正確な訳ではないのでそのつもりで)。

夕方頃、「どうしても抜けられない仕事があるんだ」と夫が出て行く。納得できないので、使いの者に尾行させると、「愛人宅にお泊まりですね」と帰ってくる。そんなことだと思ったよ、と大変つらく思うけれど、……

女性としては腹立たしい状況ですよね。作者である藤原道綱母は、本朝三美人の一人と謳われた方ですから、なおのこと。実はこの後、ささいな報復措置がとられることになります(笑)。

さてさて、話は平成の世に飛びます。

先日、厚生労働大臣が、来年度子ども手当の満額支給(月額26000円)を断念する考えを明らかにしました。以前より政府筋からは、満額支給は無理だという声があがっていましたが、今回、厚生労働大臣が明言したことで、不支給が確定したと考えてよいでしょう。

つい最近子ども手当の支給が始まったばかりなのに、もうこの有様……。以前ブログに書いたように、私も期待はしていないので、落胆もしませんが、本当にこう言いたくなりますよね。

はい、みなさん、ご一緒にどうぞ。

さればよ!