コロナをチャンスに。コロナなんかに人生を左右させない。

妙に忙しい日々が続いています。しかし、今年はよく降りますね。コロナも梅雨もさっさと収束して欲しいところです。

新型コロナウイルスのせいで、ここ数ヶ月、各学校は休校を強いられてしまいました。勉強が遅れてしまう、級友や先輩後輩との交流がなくなってしまう、学校行事や旅行を諦めざるをえなくなってしまう等々、学生達は色々な犠牲を払わされて大変です。

もちろん、私も一人の大人・親として、学生達に同情していますが、この事態を喜んでいる層も確実にいるはず。それは難関校を目指している受験生とその家族です。


小学校であれ高等学校であれ、学校は勉強だけを目的とした組織ではありません。「人格の陶冶や社会性の涵養」なんていうと少し硬いですが、友人付き合いなども含めて、勉強以外の部分の育成も大きな位置を占めているはず。

ただ、現在の日本の入学試験では直接に人格や社会性を問われるわけではありません。原則として学力オンリーの試験です(その弊害を避けるべく、実は国語の問題には色々な仕掛けが為されていることが多いんですが、それはまた別の日に書かせていただきましょう)。

確かに、今回の長期休校で学校の授業は大いに停滞したはずですが、中学入試を念頭に置けば、難関校の入試のレベルって、学校の授業レベルを遥かに凌駕していますので(というか全くの別世界)、受験勉強には何の関係もなかったはずなんですよね。

塾など学校外の指導機関も、まともなところならオンライン授業などの措置で受験生をフォローしたでしょうし、受験生本人さえやる気があれば、大いに勉強が進んだはず。

むしろ、学校に無駄に取られていた時間や労力を受験勉強に振り向けられたので、身体的・精神的健康さえ保てたならば、「超絶ボーナスタイム」だったのではないかとすら思います。

実際、当塾でも受験する生徒さん達を見ていると、この学校休業期間中、今までにも増して真剣に勉強に取り組んでくれていましたし、大いにステップアップした気がします。「やった〜!学校がない分、勉強しよ!」みたいな。

保護者様方からも、お子様の身体的・精神的健康をご心配なさりつつも、学校の負担が減ったことを喜んでいらっしゃるお話をよく伺いましたし。

いや、学校を敵視している訳ではないんですよ。ただ、難関校の受験生は本当に大変だし忙しいですからね。今後、学校が妙な親切心を出さず、ある程度カリキュラム消化を諦めてくれる方が、受験生にとってはありがたいんじゃないかな……。


私も自分が大学受験生だった頃を思いだすと、学校の授業が邪魔でしょうがなかったんですよね。公立高校ということもありますが、自分が入試に向けてトレーニングしたい内容やレベルと、学校の授業が大いに食い違う。高3の忙しい時期に入試に何の関係もない化学を週に何コマもやらされたり(生物選択でした)。

高校同期で京大に現役合格した友人との会話を思い出します。
「なあなあ、大学合格に学校の授業ってどれぐらい役立った?」
「俺は1パーセントぐらいかな。」
「俺は0.5パーセントぐらいかな。」
「俺はほぼ0かな〜。」

先生方には悪いですが、家で徹夜勉強して、授業時間は睡眠に当てるなんてこともよくしておりました。本当に忙しくなってくると、もう学校に行く時間すら惜しい(すぐ近所だったんですが)。

友人「お前昨日休んでたけど、どうしたの?」
私「勉強が忙しくて学校に来る間がなかってん(笑)」

高校は、勉学の場というより、睡眠の場だったり、友人と楽しく交流する場だったりしたわけです(毎日そうだったわけではないですが)。まあ褒められたことではないでしょうが、とても自由な学校でしたので、そこらへんは適当に(笑)。


話がそれましたが、ここ数ヶ月は、真剣に受験勉強している人達にとっては、本当に大いなるボーナスタイムだったと思います。多分、心の中で大喜びしていた受験生は多かったでしょう。

学校だけに頼っていた人は、これからもこういう事態が再来しうることを認識して、勉強手段を総合的に整えておくことをお奨めします。別に塾や予備校の利用を奨めているのではありません。人によって勉強の手段は千差万別。今の時代、自分の目指す学校と学力の差を埋めてくれる良質な参考書や教材は腐るほどあります。

若い人達がコロナなんかに人生を左右されないようにして欲しい。むしろコロナをチャンスと捉えて伸びていって欲しい。そう強く願っております。