入塾時面談を重視している理由

私たち夫婦が塾を始めて15年以上が経ちます。自分たちでは、まだまだ駆け出しのような気分でいるんですが、知らぬうちに年月は経つものですね。目の前の仕事を一生懸命やっているうちに、あっという間に過ぎた15年でした。

当塾の場合、開塾以来、入塾してくださる生徒さんや、その保護者さんに本当に恵まれてきたと思います。この点に関しては、他の塾(のことはあまり知らないんだけど)をはるかに凌駕しているのではないかなどと自惚れています。

何度かこのブログでも書いていますが、塾というのは結局は、「教える者と教わる者」に尽きるんですよね。設備やシステムなんてどうでもよい、とまでは申しませんが、やはりそれらは二義的なもの。当方が教える側としてどれだけ一生懸命努力しても、教わる人がそれを評価してくれねば塾は成立しません。

そういう意味で、今まで当塾をご利用下さった方々、そして現在ご利用いただいている方々には、本当に心から感謝申し上げております。


当塾では、生徒さんが入塾する際、保護者様との面談の機会を必ず設けています。体験授業や面談の時間を設定し、私と副代表の二人で保護者様とお話をさせていただき、そのデータを整理するという作業になるんですが、正直に言えば、なかなかの負担がかかります。 教室の空き時間を捻出し(教室が一つしかないのでなかなか空き時間がないのです)、私たち二人の時間を合わせ、加えて保護者様にもご足労を賜るというわけですから。

ただやはり、そうして生徒さんの置かれている状況や、現在までの勉強の状況などを知ることは、指導の上で確実に役立ちます。そんなわけで、当塾では開塾以来、ずっと入塾時面談を重視し続けてきています。

面談では、生徒さんの学力状況や生育歴、性格などを中心に伺っていますが、その他にも身体的な問題・学校での問題など、お話しいただける限りはどんな細かい点でも伺うようにしています。だから面談に時間がかかるんだと言われそうですが、案外、そうした勉強の外にあると思われる事柄が、生徒さんの勉強面に大きく関わっているということはよくあるんですよね。

例えば、この子はお祖父様やお祖母様と一緒に暮らしているから、大らかな性格に育って、焦らずに勉強に取り組めるんだなとか、この子はお母様が女手一つで一生懸命育ててこられたから、すごく母親思いになって勉強が出来るようになりたいという思いが強くなったんだろうなとか。もちろん、私たちが職務上知り得た情報を、外部に漏らすことは決してありません。

あと、保護者様の職業もわざわざ伺うことはありませんが、面談の中で保護者様側がおっしゃってくださることがままあります。こちらも、お子さんの性格や勉強姿勢に結構大きな影響を及ぼしているような気がします。

この件については、いくらでも書きたい話が出てくるんですが、また別の機会にでも。

いずれにせよ、初回面談で保護者様から伺った情報は、指導の上で大いに役立つ情報であると考えています。このあたりの情報の活用は、手間こそかかりますが、小規模な塾にこそ大きなアドバンテージがあります。当塾としては今後も入塾時面談を重視したいと思います。