小学6年生の「小数のかけ算割り算」に関する理解度

全国学力テストに関するニュースがまた出ています。

小数のかけ算・割り算、小6の半数近く理解せず : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 文部科学省の国立教育政策研究所が、全国学力テスト4回分の傾向を分析した結果、小学6年生の半数近くが、小5までに学ぶ「小数のかけ算・割り算」の意味を理解していないとみられることが分かった。
(上記ニュース記事より引用)

当ブログでも、今までに何度かこれに類した記事を書いているんですが、小学6年生の約半数が、小学5年生までに学ぶ「小数のかけ算・割り算」の意味を理解していないというのは、全く驚くにはあたりません。とても自然な数字に感じられます。

もちろん、上記のような内容、当塾ではきっちりと教えていますし、生徒もしっかり理解してくれていると思います。しかし、学校教育だけで、こうした内容をほぼ全員に理解させるのは至難の業でしょう。生徒達のキャパシティ、教える先生のキャパシティ、40人近いクラス人数、ということを考えればやむを得ないところです。

こういうニュースが報じられると、なぜか「ゆとり教育のカリキュラムが悪い」「学校の教え方が悪い」という風に考えられがちなんですが、それは違うと思うんですよね。

以前から何度も書いているように、中学数学の内容を理解できる生徒は全中学生の3割程度、高校数学の内容を理解できる生徒は全高校生の1割程度。私も含め、現場に立っている人の意見はだいたいこうした数字に落ち着くはずです。実際、中学生については、今までの全国学力テストの分析からもそう言えます。

小学算数については、私の個人的な感覚から言えば、その内容(中学入試のような難問ではなく学校教科書レベルという意味です)を理解できるのは、5~6割程度でしょうか。

正直に言えば、カリキュラムに基づく内容を理解できる人数の割合というのは、教育システムの改変で大きく変えられるものではないと思います。つまり、国家や自治体レベルで対応しても、それほど大きな差は出ないのではないか。極めて冷酷な意見かもしれませんが、現在の算数・数学の教科内容を前提とし、各学年の人間全体をマスとして観察したとき、そういう風に出来上がっていると理解した方が現実的だと考えています。

いわゆる「ゆとり教育」と呼ばれるカリキュラムにおいてすら、こうした理解度なのですから、現在採用されている1.4倍のカリキュラムにおいては何をか言はんや……。算数や数学の授業について行けない子達を大量生産するだけだろうというのが、私の予想です(それでいて、成績上位層にとっては何の歯ごたえもない授業であることは従前と同様なんですけどね)。


もちろん、上記はマクロ的な話でありまして、当塾の関知するところではありません。「この国の子どもの学力を上げる」なんていうのは、文部科学省や政治家の仕事です。

当塾の仕事は、もっとミクロ的な仕事です。怒られるかもしれませんが、地域の学力すらどうでもよいと考えております(笑)。目前の生徒をほったらかして、大上段から議論するなんてのは意味がありません。私たちの考えているのは、塾に来る生徒の学力を上げる、ただそれだけです。

教科書レベルの内容を理解できない子は作らない。そのレベルを超えてさらなる学力を身に付けてもらう。完全少人数制宮田塾の目標はそこにあります。来期はさらに小学生部を充実させたいと考えています。

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