最近のお店って、顧客の囲い込みのために、ポイントカード制度を設けているところが多いですよね。
お店の人に言われるがままカードを作っていると、いつの間にやらカードが莫大な数になっているんですが、そんなに沢山のカードを常時持って歩けるはずもありません。そもそも、私は物を沢山持つのが嫌いなタイプなので、財布に入れるのは必要最小限のカード二三枚だけ。店舗のカードを入れる余地はありません。
そんなわけで、街に出てふらりとお店に立ち寄り、買物をする際、たいていの場合はポイントカードを持っておらず、「すいません、ポイントカードを忘れました」と申告することになります。
良心的な店だと、次回の買物の際にレシートを示せば、ポイント加算してくれることがあるんですが、それはそれで、次回の買物の際までレシートを保管しておき、ポイントカードといっしょに持参するという手間が発生します。
う~ん、めんどくさい。
そうこうしているうちに、ポイント加算の時効(?)を迎えてしまう、というのがいつものパターン。だいたい、そんなに大きな買物をするような身分でもなく、ポイントといっても雀の涙レベルですから、いいんですけどね。
で、最近気づいたこと。
頻繁に使う店以外では、ポイントカードを持っていても持っていなくても結果は同じ。それなら、最初からポイントカードを作らない方が楽だ。(気づくのが遅すぎる。)
経営学的には、ポイントカード制度を設けて顧客の囲い込みを狙うのが正解ではあるんでしょうけれど、一顧客としては、その場で値引きしてくれる方が嬉しい気がします。
昔の大阪日本橋(電化製品店が立ち並ぶ街です)なんかは、ポイント制度などというしゃれたものはなく、「おっちゃん、これなんぼ?」と聞くのが、買物の始まりなのでした。
(値札に10000円と書いてある商品を指さして)
客「おっちゃん、これなんぼ?」店員「10000円ですわ。」
客「そんなんわかってるし。なんぼにしてくれるん?」
店員「う~ん、9500円やったら……。」
客「そんなあほな、わざわざ店まで来てるねんで。8000円ぐらいになれへんの?」
店員「そないな殺生な。最大限勉強して9200円にさしてもらいますわ~。」
客「よっしゃ、9000円にしとき。」
(勝手に決めて財布からお金を取り出し始める。)店員「すんません、それ無理ですねん。9100円でどないです?」
客「しようがないな~。その代わりオマケに電池付けてな!」
店員「お客さんには負けますわ~。」
とても面倒なコミュニケーションですね(笑)。
そもそも、店員側も「9100円」というターゲットは最初から頭にあるわけでして、客側もそのあたりは大体掴んだ上で話しているわけです。最初から「9100円(値引なし現金特価!)」と値札を貼っておく方がどれだけ楽か分からない。長い目で見れば人件費も削減できるはず。
しかし、こうした商談は、ある意味高度なコミュニケーションでもあります。初対面の相手と、共通の着地点に向けて、顔色や呼吸を読みあいながら、意見を交換するわけですからね。
昔の大阪人はそうしたコミュニケーション力が高く、コミュニケーション自体を楽しむ人が多かったように思うんですが、最近はどうなんでしょう。そういう意味で、ポイント制度は、やや寂しい制度であるような気がします。
私ですか?中学生の頃から、値引き交渉の苦手な父親に、交渉を一任されておりました(笑)。