そろそろ中学入試本番、大学入試センター試験本番です。前受け入試や推薦入試の方では、既にいくつか合格報告を頂いていますが、塾生の皆さんは本番に向けて頑張って欲しいと思います。
中学入試国語の場合、入試直前期は、基礎的な知識(語彙や漢字など)を再確認しておくことが重要なのは言うまでもありませんが、受験校対策を行うことも決定的に重要だと考えています。
中学校によってかなり出題傾向は異なりますので、その特色に合わせた対策、もっと言えば、当該中学校入試で1点でも多く奪取するための対策を行うわけなんですが、このプロセスの重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。
各学校には、自校の求める生徒像があるはずであり、それは入学試験問題に如実に表れています。私の場合、仕事柄、色々な入試問題を横断的に見ることが多いので、「この学校は素直な生徒が欲しいんだな」「この学校は応用力の高い生徒が欲しいんだな」「この学校は自分の意見を持った生徒が欲しいんだな」「この学校は知識量の多い生徒が欲しいんだな」といったことが見えてきます。
その学校にとっての「あるべき生徒像」を伝えてくれる・教えてくれる重要な素材が入試問題。受験生は、それに自分を合わせてゆかねばなりません。学校の求める「生徒像」を問題から分析し、それを問題に合わせていかに表現するかを指導することは、私の仕事の重要な一部分だと考えています。
もちろん、いきなりそんなことを付け焼き刃的に指導したところで、効果は上がりません。基礎的な読解力や解答作成力が身に付いていることは当然の前提。でも、今頃になって基礎的な読解力や解答作成力云々と言っているようでは、合格から程遠いわけで、その辺りはあまり気にせず指導しています。より正確には、そういう内容や指導に耐えてもらえるように普段から指導しているわけですしね。
例えば、先週の授業で取り扱ったのは、「西大和学園中学の段落整序問題の解法」「清風中学の200字要約問題の解法」など。解法自体は書いても意味がないので書きませんが、対策をするとしないとで大きな差が付く問題群だと思います。そして適切な対策をすれば、必ずと言っていいほど、効果の出る問題でもあります。
こうした問題に、100点満点に換算すれば25点程度の大きな点が配点されているのは、故無きことではないと思うんですよね。この種の問題は、上記の通り、その学校にとっての「あるべき生徒像」を具体化しているのであろうと考えます。
根本的なことを言うと、「正確に読解できれば答案も自ずと作成できる」はずなんですが、それはあくまでも理想論。そこまで到達することは中学入試の場合、なかなか難しい。出題される文章にはかなり難解なものもありますしね。
中学受験をお考えのご家庭は、基礎的な読解力・表現力を身につけることを主眼に置かれるのが賢明ですが、最終的には、各中学校の入試問題にフィットすることも極めて重要であることをご認識いただければと思います。