Part1の続きです。
しかし、「塾独自で作成した冊子になっている教材がもっとも優れている」という誤解・幻想があります。この「オリジナル幻想」、意外なほど広まっているような気がします。
私、大学に入学した18歳の時に、知り合いの紹介で、とある塾のアルバイト講師をしたんですが、ここの経営者さんが「オリジナル幻想」を持っている方でした。
自らは指導できない方だったので、経営的観点からか、やたらに「市販の教材で教えないでくれ」「オリジナルなテキストを作れ!」とおっしゃる。仕方がないので、苦労しながら自作レジュメを作っていました。
しかし、どう考えても、18歳のヒヨッコの作った教材より、既製品の方が出来は圧倒的に良いはずです。しかも、科目は大学受験で必要のなかった科目、高校物理。今でも、生徒には少し申し訳ない気分が残っています。
ここからが本題ですが、世の中にそういう「オリジナル幻想」がある以上、対応するのが資本主義社会。
この業界には「巻き替え」という手法があります。教材の内容は教材会社に作成させ(というか塾用販売教材をそのまま流用させ)、表紙だけ「○○進学塾作成」とか「○○学園教務部著」などと印刷してもらう。つまり、市販テキストの表紙を「巻き替えて」もらうわけです。こうして「オリジナル教材」一丁上がり。
ちょっとこすっからい話ですが、「オリジナル教材費」として教材実費より高く請求しようというハラのある塾には、うってつけの手段です。
実際、当塾も「巻き替えしますよ」という営業を受けることがありますが、そんな卑怯な手段を使わずとも、正直に言えばいいだけなのに、と私なんかは思います。いかがでしょうか。
優れたレストランに求められるのは、「おいしい料理」と「それに必要な素材の吟味」。野菜や米をそのレストランが栽培していないからといって、気にする人はあまりいないように思いますが…。