偶然の出会い

CDをそれなりに多く所有している方だと思うんですが、以前は適当にCDラックに放り込んでいました。ジャンル関係なし、アーティスト名関係なし。ロックの横に民謡、アフリカン・ミュージックの横には義太夫節、バッハの横にはノイズ・ミュージックという感じで、家を訪れる友人には「お前のCD棚、意味が分からんぞ」と苦笑されるのでした。

枚数が少ない内はだいたい場所を憶えていて、確かあの盤はここらへんだったよな、という感じで検索可能だったんですが、CDが何千枚かになってくると、目当ての盤を探し出すことがもう不可能になってきました。

「えーっと、◯◯のCDはどこだっけ……、あれ?俺、こんなCDを持っていたっけ?ちょっと聞いてみよう。」

「いかんいかん、◯◯はどこだっけ……、うわっ!この××の盤は懐かしいなぁ!ちょっと聞いてみよう。」

「うん、××はいいなぁ。確か他のアルバムも持ってたよな、探して聞いてみよっと……。う〜ん、どこだっけ?おっと、△△のアルバムか、長い間聴いていないなぁ、ちょっとこれも聴いてみよう。」

「うん、△△って素晴らしいよな。えっと、何を探してたんだっけ?」

てな感じで、全く目当てのアルバムに行き着くことが出来ない(笑)。まぁ、仕事じゃないんでいいんですが。で、あるとき一念発起してアーティスト名順にCDを並べることとしました。かなりの時間がかかりましたが、それ以来はかなり合理的に検索できるようになりました。そもそも、最近はCDを購入したたらすぐにリッピング(Macなどにデータとして取り込むことです)するので、音盤を利用する機会自体がめっきり乏しくなったんですけどね。

ただ、そういう合理的なシステムが出来上がったら出来上がったで、偶然の出会いが少なくなって寂しい気がします。我ながら天の邪鬼ですが……。

先日、The Smiths の古いアルバムを購入して、棚に並べたところ、お隣さんが Solas でした。久々に聴いてみると、これが胸に沁みること沁みること。やっぱり偶然の出会いは大切だな。音楽でも文学でも人でも。