未来のモーターサイクル像 – BMW Motorrad VISION NEXT 100

モーターサイクルというのは、無縁な人からすると、何の為にこんなものが存在するのだろうかと不思議に思える乗り物でしょう。

夏は死ぬほど暑い。冬は死ぬほど寒い。雨が降ったら濡れる。風が吹いたら不安定。運転ミスを犯すと転ける。荷物はほとんど載せられない。こんなのに乗ってる人間ってバカなんじゃない?どう考えても自動車の方が便利で快適だ。

しかし、一度この乗り物に魅せられると、もう他の乗り物ではダメですね。ちょうどウイルスに感染したようなものです。一生治癒の見込み無し(笑)。私、16歳の頃から今に至るまでこの人間くさい乗り物が大好きです。

もちろん自動車も運転しますが、面倒臭くてならない。退屈で退屈で早く目的地に着いて欲しくてたまらない。私が大富豪になったら、運転手を雇うつもりなんですよね。私はバイクで移動するから、君は家族をのせて後を付いてきてくれ給え。見失わないようにね、みたいな。

高級自動車を買うよりも運転手を雇う方がはるかに贅沢だと思っています。ただ、今のところ大富豪になる気配がないので、予定だけで終わりそうなんですけどね。

まあ、そんなモーターサイクル偏愛者も世の中には一定数いるわけですが、ドイツのBMWという企業はそこのところをよく分かっているメーカーです。こんなアナログで不便極まりないビークルの将来をきちんと考えてくれている。この企業、高級自動車メーカーとして有名ですが、元はと言えばバイクメーカー。

下記は、つい先日BMWが発表した動画なんですが、未来のモーターサイクル像を提示しています。バイクに興味のない方でも面白いんじゃないでしょうか。

The BMW Motorrad VISION NEXT 100

これなら社会に受け入れられやすいかもしれませんね。騒音もなく悪いガスも排出しない。あれ、ヘルメットやその他のライディングギアは要らないのか?なるほど、転倒しないように作られているし(動画の最後にそれが強調されるシーンがある)、事故の可能性ははすべて排除されているという訳か。公道を走っている他車とは自動的に交信して危険を回避、路面状況も完全にスキャンするという想定なんだな。

でもやっぱりヘルメットやグラブはしたいところです。映像の通りだと、顔中虫だらけになるはず(笑)。田舎の高速道路なんかを走っていると、ヘルメットに大量の虫の死骸が付着するんですよね。

ちょっと詳しい方なら、モーターと思しき部分がBMW伝統の水平対向エンジン(ボクサーエンジン)ぽくなっているのがツボですよね。起動するとウィーンとフィンが出っ張ってくるという無駄なギミックがいい。

いつまでこの不便な乗り物が生き延びるのかは私にも分かりませんが、まだしばらくは安心できそうです。

メイキング映像はこちら。メーカーの考えがよく分かるようになっています。

BMW Motorrad VISION NEXT 100. Making of.