中学入試受験生の保護者様から時々受けるご相談の一つに、「論理的文章が苦手だがどう読めばよいか」というものがあります。
「論理的に文章構造を読み取るよう努力する」というのが一つの答えではあるんですが、それでは何も言っていないに等しいですよね。「どうやったら美味しい料理を作れるのか」という問いに、「美味しい料理を作れるよう努力すればよい」と言っているようなものです。
私もこの道で食べていますので、色々と具体的な方策を持っていますが、問題は私が直接指導できない場合です。そうした場合にお勧めしているのは、次のような方法です。
論理的文章(説明文や論説文)は形式段落に分けられている。通常、筆者は何らかの意図を持って文章を形式段落に分けているはず。
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とすれば、原則として、各段落が何らかのテーマを持っていると考えられる。
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テーマを表す文(中心文)を各段落につき一つずつ探す。
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その中心文を機械的につなぎ合わせれば、文章の大枠がつかめる。
もちろん、実際の論説文には、いくつかのテーマが含まれている段落もあれば、些末な具体例だけであまり重要性のない段落もあります。しかし、「論理的文章が苦手な人」にそのような判別は困難ですよね。まずは上記のように機械的にやってみるところからスタートした方がいい。
「各段落を読んで、それぞれ一つだけ大事な文章を探せ」というシンプルなルールですので、取りかかりやすいんじゃないでしょうか。真剣にそうした作業を繰り返しているうちに、文章の大枠・概要を掴む力が付いてくると思います。そうすればしめたもの。
徐々に、「この段落はこの二つの文が重要だな」「この段落は脇道に逸れているような部分だから傍線を引かなくてもいいな」というようにアレンジすることができるようになってくると思います。
授業では、筆者の伝えようとする重要部分に傍線を引き、概要を抽出したり、図で表したりしていますが、それに近いことが自分でできるようになってくれば、論理的文章に関する得点力はかなり向上しているはずです。
最後に。真剣に文章に向かうのは言うまでもないことですが、その上で、「完璧を目指さず、大枠をつかむつもりで読む」ということに留意して下さい。入試問題では、文章の流れ・大枠に関する理解が問われることが多いということも付け加えておきたいと思います。
受験生のみなさん、頑張って下さいね。