今日はちょっとメモ的に。
夏休みの小学生に何か小説を読ませたいんだけど、というご相談を受けることが時々あります。
私がお薦めするのは、松浦寿輝『川の光』。
小学高学年なら読みこなせる小説ですが、大人にも十分お薦めできる、否、大人こそ楽しめる小説ではなかろうかとも思います。
国語教師、中学受験指導者、一児の父親、小説好き。いずれの立場からも心からお薦めできるという珍しい小説です。
詳しい紹介はまたの機会にと思いつつ、時間が無いのでずっとほったらかしになっているんですが、夏休みということでとりあえずタイトルだけでもご紹介しておこうと考えた次第。
親子のつながり、友情、家族、勇気、自然への愛、冒険、成長。読者が小学生であれば、登場動物たちに、上記のような人生の大事を教えられるでしょう。読者が大人なら、登場動物たちが(そして筆者の巧みな文章が)それらを心の奥から呼び覚ましてくれるはず。
小学生時代に学校で読まされた動物文学は、ステレオタイプ的に動物を捉えていて、すごく退屈だったんですが、最近、アンナ・シュウエルの『黒馬物語』を読んで、動物文学というのもなかなか魅力的だなと思うようになりました。
この『川の光』を動物文学と呼んでよいのか迷いますが、もしそれを肯定するなら、動物文学の白眉だといってよい作品でしょう。
ちなみに、『川の光』には、『川の光 外伝』『川の光2 – タミーを救え! 』という続編があります。これまた素晴らしい。『川の光』を読めば、ほぼ間違い無く外伝もパート2も読みたくなると思います。
ちゃんとした紹介記事は、また時間のあるときにでも。
<追記>
振り返ってみると、ちょこちょことは『川の光』について書いていました。
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