漢字検定1級合格 #3

漢字検定1級合格#2 の続きです。

3.漢字検定を取り巻く社会的状況

以前は、漢字検定指導を謳う塾もそれなりにあったようですが、少なくとも私が調べた限りでは、指導者の実績が全く書いていないんですよね。指導する人間はちゃんと検定に通っているの?何だか信用ならないように思うのは私だけではないと思います。漢検準会場なんて申請すればすぐ通るものですから、塾の信頼性を担保するものにはなりませんし。

あと、漢字検定に対する冷遇も気になっておりました。例の漢検協会の不祥事以降、入試における優遇を廃止する動きを見せた学校があったんですが、それってどうよ、と。最初から学校として、「漢字検定を持っていようが優遇はしない」というのなら、それはそれで一つの見識だと思います。しかし、今まで入試上の優遇措置を与えておきながら、漢検理事長の不祥事で、その優遇措置を廃止する。これって、受験生の漢字の能力を評価していたんじゃなくて、理事長の政治力を評価していたということになりますよね。

確かに、協会の不祥事は非常に恥ずかしい話だったと思いますが、私の見る限り、揉めていた期間も、出題される問題や運営のレベル自体は今までと全く変わりありませんでした。つまり、漢字能力の検定としての機能は一切変わらなかった。

そうした状況下で、漢検指導を廃止してしまった塾や、入試の優遇措置を廃止してしまった学校は、世間の気分・風潮に迎合してしまう軽佻浮薄な教育機関だと誹られても仕方がない気がします。

4.漢字を学ぶことは楽しい

まぁ、あれこれ偉そうに書きましたが(すみません)、一番の受検動機は、漢字の勉強がとにかく面白かったことです。我ながら子供っぽいんですが、漢字の勉強ってやっぱり楽しいんですよ。

深く漢字を知れば知るほど、深遠広大な漢字世界が見えてきます。漢字という小舟がつなぐ汎アジア的世界、そして、千数百年にわたる中国文化・漢字の受容と密接に絡みついた日本語の発展。こうした諸々がスッと眼前に開ける瞬間を、勉強期間中、何度も体験しました。

もちろん、漢字学に一生を捧げる学者先生方のように、漢字世界を一望できるというわけではありません。が、今回、漢字の世界の入口に立つことだけは許された気がしています。

能書きはこれぐらいにして(長すぎ!)、そろそろ本編である「漢検1級勉強法」に入って行きましょう。カテゴリ「漢字検定」からどうぞ。