国語の成績を上げるには
「どうすれば国語の成績を上げることができるのか」
「どうすれば国語の偏差値を上げることができるのか」
「どうすれば入試国語で合格点・高得点を取れるのか」
当国語塾のウェブサイトをご覧下さっている受験生や保護者様にとって、上記の問いが最も大きな関心事項なのではないでしょうか。答えはただ一つ。 根本的な国語力を高める しかありません。
もちろん、志望校の出題傾向を探ることも重要ですし、受験テクニック的な部分も大切です(実際、そうした内容も重視して指導しています)。しかし、それらは付随的な部分。付随的な部分をいくら追い求めても、コンスタントに合格点を取ることができる力は付きません。やはり本質的・根本的な国語力を向上させてゆく他はありません。
では、 どうすれば国語力を高めることができるのでしょうか。
この問いに答えるには、前提として 「国語力」とは何か を分析しておく必要があるでしょう。本来、「国語力」という概念は多義的で、どのようにも捉えうる言葉です。しかし、幅広く考えてゆくと、まとまりが無くなりますし、受験国語を対象とする当国語専門塾の守備範囲からも大きく逸脱してしまいます。ここでは、受験・入試対策という観点から「国語力」を分析してみましょう。受験・入試に必要な「国語力」の何たるかが見えれば、その高め方も必然的に分かってくるはずです。また、分析と同時に当国語塾の指導方針もご説明致します。
国語力分析 – 宮田国語塾の指導方針
当塾では、受験・入試という観点から、「国語力」を以下のように定義して指導しています。
A.知識 : 正確な知識をもとに
B.読解力 : 筆者が文章を通じて何を伝えようとしているかを読み取り
C.思考力 : 論理的に考え・推論し
D.表現力 : 出題意図に応じた解答を作成する
A・B・C・D のすべてがバランスよく備わっている状態を、「国語力」が高いと考えるわけです。「国語力」を即座に上げる特効薬のような指導をご希望になる方もいらっしゃいますが、A・B・C・D の総合が「国語力」となる以上、近道はありません。地道に合理的な勉強を重ねるしか方法はないのです。ただ、逆に言えば、 適切かつ合理的な指導を受け、地道な勉強を重ねるならば、比較的短期間のうちに得点の上昇および安定が期待できる教科 だと言えるでしょう。
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次に、A・B・C・D それぞれの力について概説致します。
A. 知識
正確な国語的知識をもとにして初めて正確な読解・表現ができるわけですから、重要性は極めて高いと言えます。具体的には、下記のような国語的知識を習得する必要があります。
中学入試の場合
漢字・語句・慣用句・ことわざ・四字熟語・基礎的文法事項など
大学入試 現代文の場合
抽象度の高い頻出概念や語句・漢字など
大学入試 古文の場合
古典文法・古語・古典常識など
大学入試 漢文の場合
句形・基礎的な語句など
大学入試 小論文の場合
一般的な論述方法・志望学部学科に関連する重要な論点など
当国語塾では、知識面の指導も重要視しております。とりわけ、古文・漢文については知識の多寡が大きく読解力を左右するため、知識面の指導は不可欠です(詳しくは分野別の指導方針をご覧下さい)。
なお、指導分野や個人のニーズによっては、知識面を補足的に指導するに止める場合がございます。理由は次の通りです。
1. 貴重な授業時間は、独力で獲得しにくい「読解力/表現力」に関する指導に当てたい
2. 自習もしくはご家庭で指導することが可能な分野である
3. 指導が比較的容易であるため、他塾でも指導の中心になっていることが多い
無論、こうした場合も、ご要望・ご必要に応じて丁寧なアドバイス・宿題の出題を行いますので、ご安心下さい。
B. 読解力
読解力を辞書的に定義すると、「文章を読んで、その意味・内容を理解する力」ということになりますが、受験という文脈から定義するとすれば、下記のよう考えるべきでしょう。
1. 虚心に文章を読んで
2. 筆者が何を伝えようとしているかを細かく・大きくつかみ取る能力
1. 虚心に文章を読む
まず「1. 虚心に文章を読む」という点についてご説明致します。
「虚心」とは、「先入観やわだかまりがなく心がすなおであること」ですが、他人の作った文章を読む際に、大きな前提となるのがこの心構えです。読解とは、まさに文章に示されている筆者の考え・主張を読み解くこと。とりあえず自分の意見は横に置き、他人の意見に真剣に耳を傾ける姿勢が重要だということを力説したいと思います。入試出題者は、「この文章を『読み解けますか』」と聞いているのであり、「この文章を『どう思いますか』」と尋ねているのでは決してありません。虚心に文章に向かう気持ち・筆者に寄り添う気持ちというと、やや文学的な表現に聞こえるかもしれませんが、読解力向上のために忘れてはならない部分です。
当国語専門塾の授業では、読解に「虚心」が失われていないかを、受講生の答案から綿密にチェックしています。
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2. 筆者が何を伝えようとしているかを細かく・大きくつかみ取る
次に「2. 筆者が何を伝えようとしているかを細かく・大きくつかみ取る」という点について。
入試では、細部の読み取り(例 : 情景から登場人物の感情を読み取る)・大きなテーマの読み取り(例 : 評論文の主題要約型問題)の両者が問われます。論理的文章においては、細部だけをつかんでも、文章の大きな構成が読み取れねば合格点に至りませんし、逆に文学的文章においては、いくら主題をつかんだとしても、細部の読み取りができなければ得点にはつながりません。このような意味で、試験という観点から考える読解力については、「細かく、またその一方で、大きくつかみ取る」という部分が大きな重要性を持ちます。
そもそも、文章を読み解くという能力は、古今東西の文章・書物に適用できる普遍的な能力として捉えるべきであり、時代に左右されたり、単純な機械的ルールに落とし込まれたりするべきものではありません。受験という観点から離れても、文章の細部までおろそかにせず、それでいて、文章の伝達内容を大きな構造として捉える力は、読解力の大きな柱となるべき部分です。
この文章上では抽象的な説明に止めざるをえませんが、当国語塾の授業では具体的な問題文を通じて、「細かく、またその一方で、大きくつかみ取る」読解力を養ってゆきます。比喩としては、固く絡まった綱をほどいたり、ばらばらになった紐を縒り合わせて綱にしたり、同じ色の紐を集めて編んだり、対になる色の紐を組み合わせたり、という感じでしょうか。
C. 思考力
上記の一般的国語力の説明図には独立して取り上げていますが、実のところ、単独で取り上げて指導する必要性はあまり高くないと考えています。なぜなら、
読解力とは、( 論理的に考えながら ) 読解する力 であり
表現力とは、( 論理的に考えた上で ) 表現する力 である からです。
つまり、国語という教科においては、上記二つの能力の中に「思考力」は包含されるのであり、独立的・抽象的に「思考力」だけを指導するのではなく、付随的・具体的に指導する方が合理的だと言えます。もちろん、論理的思考力は、他の教科にも共通する学力の根本をなす部分ですし、決して軽視して良いというわけではありません。
当国語塾では、しっかりとした読解力や表現力を身に付けつつ、自然に論理的思考力も獲得するというスタイルの指導を行っています。
D. 表現力
当然の話ですが、入試採点者は、答案として表現された部分だけを見て評価・採点します。受験生がどんなに正しく文章内容を読解していようが、適切に表現されていなければ得点にはなりません。そういう意味で、受験・入試においては 「出題意図に応じた解答を作成する力」 が非常に重要となります。
出題意図を知るには、まず設問の問題文をしっかりチェックすることが必要です。理由を問うている問題なのか、要約を求めている問題なのか、比喩説明を求めている問題なのか、感情の読み取りを求めている問題なのか。もちろん、文末表現に気をつかうことも大切です(単純な例になりますが、理由を問われている場合は、「〜から」「〜ので」という表現で解答を終えねばなりません)。また、本文内に潜むヒントを探す必要があることは当然ですが、記述式テストの場合、指定文字数や解答欄の大きさも重要なヒントとなります。
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当国語専門塾では、塾生の作成した全ての答案に目を通し、各個人の弱点を発見するとともに、「高得点を取れる答案」に至るための具体的アドバイスを丁寧に行っています。
なお、受験という観点から高く評価される答案は、美しい(きらびやかな)文章で書かれている訳ではありません。むしろ、書くべきポイント・キーワードを外さず、減点されないような文章を作成すると、必然的に平易かつ淡々とした文章となります。難関大学や国立大医学部に合格していく人の答案は、ほぼ例外なくそうした文章になっています。程度の差はあれ、難関中学に合格する生徒の答案にもその萌芽が見られる気がします。高得点を狙うために高度・特殊な文章力を身に付けねば!と気負う必要は全くありませんので、ご安心いただきたいと思います。
当国語塾では、書くべきポイント・キーワードを明示しつつ、平明簡素な文章・答案を目指し、冗長な答案にならないよう記述問題を指導しています。
各学力のバランス
上記 A・B・C・D 各学力の指導バランスは、
指導する分野
志望校の問題傾向
一回一回の授業で扱う問題の性質
個々人の現在の能力・苦手分野や弱点
などに応じて修正してゆくことになります。なお、各分野についての具体的な指導バランスについては分野別の指導方針に概要を記しております。