ホモフィリー・類は友を呼ぶ

気がつけば年の暮れ。よく考えたら昨日はクリスマスなのでした。本当に1年なんてあっという間ですね。

今年は4つのプロジェクト完了を目論んでいたんですが、3つを完了したところで年末になってしまいました。遂行率75%ということで、まあ満足すべきと言うべきでしょうか。12月半ばになってようやく完了したプロジェクトは、前回記事でもお伝えした「宮田国語塾のリニューアル」。

以前から着手しないといけないとは思っていたんですが、かなりの作業量が必要とあって、なかなか手が付けられなかったんですよね。9月から授業のない日はこの案件にかかりっきりで、結局完全な休みの日は12月末まで皆無。ブラック企業ここに極まれり、ホントにこの塾の塾長、人をこき使うにも程があるわ……って塾長は私でした(笑)。

新規システムの内容はウェブサイトなり前回の記事をご覧頂くとして、ここではちょっと余談を書いておこうかと思います。


ウェブサイトの方は、見た目こそあんまり変わっていませんが、内部的・技術的な部分は結構変わっております。これはご覧頂く側にはあんまり関係ないですね。CSSのコードをあれこれ書きましたが、ChatGPT先生があれこれ手伝ってくれて大助かり。

記載内容の方はご覧いただければお分かりの通り、大きく変更しました。こちらはさすがにChatGPTには任せられませんので、えっちらおっちら私の方で100%作成。なんか妙に文字数の多いウェブサイトなんですが、これは「あえて」というところがあります。

もちろん、技術的にはすっきりとしたモダンなサイトも作ろうと思えば作れるんです(センスに乏しいのであんまり見栄えは良くないかもしれませんが……)。ただ、「あえて」ちょっと垢抜けないというか、情報量多め(多すぎ)のサイトにしているのは、ホモフィリー(Homophily)効果のことを考えています。

ホモフィリー」というのはソーシャルネットワーク研究の用語で、「人は同じような属性・考えを持つ人とつながりやすい」という意味。簡単に言えば「類は友を呼ぶ」理論ですね。これは古今東西を問わず、超・超・強力な法則として人間社会に働いている法則だと思っています。

大会社のボードメンバー(取締役会の構成員)を調査すると、この「ホモフィリー」が強烈に作用していることが判明したり、企業の新卒者採用には「ホモフィリー」が大きく影響しているという調査があったりするんですが、まあそうだろうなと。

自分の周りを見てもそうなっていると思いませんか?友人はやっぱり自分と似たような考えや価値観の人が多いし、電車に乗って周りを眺めると、似たような服のセンスをした人が固まっていたり。

で、やっぱり塾もそうなんですよね。私たちとある程度「同質性」をお持ちになっている方々に来ていただくのが一番うまくいく。ふんわりとしたイメージ画像やおしゃれな映像を見て「なんとなくこの塾よさそう」とお考えになる方よりも、堅苦しいけれどちゃんとした説明をしているウェブサイトを見て「この塾なら子供を預けても大丈夫そう」と思っていただける方のほうがやっぱり相性が良いと申しましょうか。

当塾がインスタグラムやX等のSNSにかなり冷淡なのも、そこが理由です。以前、とある方面で有名な方がインスタグラムで当塾のことを大変好意的に取り上げてくださったことがありまして、それをご覧になった方々からお問い合わせを多数頂いたことがあります(取り上げてくださったことに深く感謝申し上げます)。

ただ、インスタ上の何となくのムードでご連絡を下さる方は、当塾のことをよくご存知ないままご連絡下さる方がほとんどで、「○○中学合格に必要な国語力は3ヶ月で付きますか?」とか「2ヶ月で偏差値は10から20ぐらい上がりますか?」といった感じなのでした。

もちろん、そういったケースもありますが、必ずそうなるとは断言できないですよね。それは生徒さんの性質や頑張り具合によりけりです。「まかせなさ〜い!」と請け合って、体験授業もなしに入塾してもらえば(なぜかそういう方は体験授業不要という方が多い)、確かに経営的にはいいんでしょうが、やっぱり不誠実。

いつも通りちゃんと当塾の方針を説明させていただき、国語力を高めるには地道な努力が必要になること、いついつまでに確実に模試の偏差値が10上がるとはお約束できないことなどを説明させていただくと、かなりの場合「じゃあいいです」という風に。

こうした結果は「ホモフィリー」の乏しさから来ていると思うんですよね。上述のような方々は、インスタはイケイケ、しゃれたイタリア製スーツに身を包んだエグゼクティブ風塾長が「おっしゃ任せとけ!」と運営する塾の方が満足度が高いかもしれません。

当塾の場合は、その真逆を行く塾です。小規模で地味でユニクロです(笑)。

そんな塾には、やや多い文字情報をご覧くださり、ご興味をお持ちくださる方のほうが圧倒的に相性が良いんですよね。「多めの文字を違和感なく読める保護者様→子供にもそれが伝わる→国語力を高める素地ができている」という因果関係があるのではなかろうかと考えています。

というわけで、ここまでお読みくださったあなたも、当塾と「類友」。仲良くなれるかもしれませんね(笑)。

ホモフィリーの話だけでずいぶん文字数を使ってしまいました。他の話も書く予定だったんですが、またの機会に。なんか “ScholaVerbi” ってそこら中に書いてあるけどこれ何やねん、と思われていそうなんでそこも書く予定だったんですけどね。とりあえず、その話はウェブサイトを見ていただくとしておきましょう。

さすがに年末年始は少し休めそうなので、残り僅かな今年を頑張って駆け抜けたいと思います。皆様もご自愛召しませ。