Hallelujah(ハレルヤ)&バンクーバーオリンピック

バンクーバーオリンピックが開幕しましたね。

スポーツ観戦にほとんど興味がない上に、テレビを見る習慣のない私は、「今年って冬季オリンピックがあったんだ」と今頃になって気づく始末(笑)。

そんな鈍くさい私にも、スポーツやオリンピックの背景にある人間模様は非常に面白く思えます。死ぬほどのトレーニングを積んだ人間が何を思い、どんな精神状態で試合に臨むのか。ライバルをどう蹴落とすのか(またはどう無視するのか)、第一線を退いた選手はその後どのような人生を送るのか、などなど。

まぁ、選手からしたら、そんなことより試合でのパフォーマンスを見てくれよ、ということになるんでしょうが。

さて、テレビで開会式を見ていた叔父から、「ハレルヤ」という歌を歌っていた歌手を知らないかとの問い合わせが。確かに、ここら辺なら私の守備範囲ですね(笑)。

ネットで調べると、k.d. Lang が歌っていたらしい。なるほど、k.d. Lang ならカナダを代表する歌手と言えるでしょう。自身のアルバムでこの曲をカヴァーしていたことは知っていましたが、聞いたことはありませんでした。下記動画(2005年のライブ)で確認しましたが、この曲を自家薬籠中のものとしている感じがありますね。素晴らしい。

ちなみに、k.d. Lang はカナダの「女性」シンガーです(叔父も勘違いしていましたが)。

K.D. Lang sings Leonard Cohen’s Hallelujah

この “Hallelujah”(ハレルヤ) という曲、元は Leonard Cohen (レナード・コーエン)という、カナダの詩人・歌手の曲です。コーエンはとことん陰鬱な歌を歌う人として有名でして、私も高校生の頃から聞いていますが、毎日でも聞きたい歌かというと、ちょっと……(笑)。ただ、時々猛烈に聞きたくなるタイプの歌手です。

個人的には、オリジナルヴァージョン(コーエン氏のヴァージョン)にあまり惹かれなかったのですが、この曲の内には何か秘められたエネルギーがあったのでしょうか。数々のアーティストが “Hallelujah” をカヴァーしてきました。

私が特に好きなカヴァーヴァージョンは次の二つ。

Jeff Buckley (ジェフ・バックリー)の歌う “Hallelujah” は、今にも壊れそうな繊細さを持っています。彼の歌を聴いて粛然とした気持ちになるのは私だけではないでしょう。この曲が有名曲になったのは、おそらく彼のおかげだと思います。私にとっても、 “Hallelujah” はジェフ・バックリーの曲という感があります。蛇足かもしれませんが、彼は “Hallelujah” の他、ほんの僅かな曲を残し、30歳で事故死します。

Jeff Buckley – Hallelujah

Rufus Wainwright (ルーファス・ウェインライト)の歌う “Hallelujah” は、くっきりとした輪郭を持っています。抑制された歌い口が逆に歌の情景を効果的に描いています。以前、息子と映画「シュレック」を見ていたとき、いきなり流れてきた “Hallelujah” がもの凄く良かったので、調べてみると、このルーファス・ウェインライトが歌っていたのでした。

Rufus Wainwright – Hallelujah

しかし、美しい詩ですよね。

You saw her bathing on the roof
Her beauty in the moonlight overthrew you
She tied you to her kitchen chair
She broke your throne, she cut your hair
And from your lips she drew the Hallelujah

よく考えてみると、この “Hallelujah”、オリンピックの開会式には全くそぐわない曲なんじゃないだろうか(笑)。