ジンジャー・ルート『偽物』- Ginger Root “Nisemono”

おっと、ジンジャー・ルート来日決定のニュース。2023年1月に来日、東名阪ツアー敢行との由!大阪か名古屋あたりの公演日が休みの日に重なってくれてないかな……。喜び勇んで公演情報を見ましたが、東・名・阪3公演ともに思いっきり仕事の日でした。ショック大。

お知らせ:ジンジャー・ルート の日本初ツアー!!!

最近気になっている「ジンジャー・ルート (Ginger Root) 」というユニットがあります。中国系アメリカ人(と思う)のキャメロン・ルー (Cameron Lew) の一人ユニットなんですが、妙に惹かれる音楽なんですよね。

彼の公式サイトを見ると、こんな自己紹介が記されています。

About

Editing films, videos, and other multimedia by day, and making music under the name __Ginger Root __by night, Cameron Lew fronts a sounds that can be described as:
“Aggressive Elevator Soul”.
Combining elements from contemporaries like Toro Y Moi, Vulfpeck, Metronomy, and Kero Kero Bonito, with the influences of Japanese City Pop and the days of Stax and Philly Soul, Ginger Root offers a fresh take on the ever evolving Bedroom Pop scene.

( https://www.gingerrootmusic.com より引用)

「アグレッシブ・エレベーター・ソウル」という謎のジャンルで自分の音楽を紹介しています。どういう意味?よく分からない。でも何となく分かる気もする。

ヴルフペックに影響を受けているとか、クルアンビンがツアー・サポートを務めたとか、私の音楽趣味に猛烈に刺さってくる人ですが、ここ数年は日本語や日本文化に興味を持ってくれているらしく、特に80年代日本アイドルやシティポップに傾倒しているとか。上記自己紹介にも “with the influences of Japanese City Pop and the days of Stax and Philly Soul” とありまして、シティポップとスタックスとフィリーソウルの影響下にあるという御旗を掲げています。聞く前から最高だと分かる人ですね(笑)。

数日前に発表されたEPアルバム “Nisemono” は、私にとっての今年のベストアルバムになるかもしれない作品なんですが、80年代ジャパニーズ文化への愛情に溢れ返っています。山下達郎などのシティポップ、YMO、アイドル歌謡、それらをシャッフルして、少々のオルタナ風味と諧謔味を添えて出来た楽曲群は「ニセモノ」どころか思いきり「ホンモノ」です。80年代を実体験してきた私が言うんですから間違いありません。

しかし、日本の文化をよく研究してますよね。 “Nisemono” に収録されている “Loneliness” はキラー・チューンだと思いますが、このPVに出てくる80年代の風景が、懐かしいことこの上ありません。とりわけ音楽番組「ザ・ベストテン」を想起させる映像は、副代表も大笑いでした。「なつかし過ぎる〜〜〜〜!」久米宏と黒柳徹子が出てきそうな(笑)。本当にいい曲なので是非ご一聴を。

Ginger Root – “Loneliness” (Official Music Video)

私が特筆しておきたいのは、彼の作品が単なる文化コピーやノスタルジーではないということなんです。敬意を持って日本文化に触れ、新たな魅力を持つ楽曲を目指した結果、おそらくは今の若い人にもアピールするパワフルな作品ができあがっている。

最新作 “Nisemono” にキャメロン君自身が付けた解説を引用します。

1983年、ジンジャー・ルート は話題アイドル、竹口希美子の新曲を依頼されました。でも、ストレスを溜まっているのせいで希美子ちゃんはアイドルの活躍を辞めてしまいました。その代わりに、ジンジャー・ルート が新アイドルになってしまいました。

このEPのテーマは、”この人生って僕は本当にふさわしいのか?僕は嘘で生きてるのか?僕は本物?偽物?”の悩みを対しています。でもその考え方を納得すれば、必ず大丈夫になります。

この文章を書く時に、まだ二つのMVとチャプターが残っています。ツアーを終わりの後に、作ります!

聴いてくれてありがとうございます!
-Cam

(Ginger Root – “偽物” [FULL EP VISUALIZER] から引用)

もちろん、1983年に彼が生まれているはずはありませんから、そういう「設定」なんですけれど、マジでありそうです。何となくの勘ですが、このキャメロン君、地道に音楽活動を続けていけば、トッド・ラングレンみたいな音楽才人になりそうな気がします。楽しみな人です。

Ginger Root – “Loretta” (Official Music Video)

名曲!この曲、日本語バージョンもありまして、それも最高!

そうそう、書き忘れていましたが、Wikipediaによると、ジンジャー・ルートという名前の由来は、ヴルフペックがライブパフォーマンスで、「ええと、あ、根生姜」(uh, uh ginger root)と言ったところにあるそうで。何じゃそりゃ(笑)。漢字では「姜根」って表記されています。いいね!

しばらくは『偽物』のヘビロテ決定。趣味に走った話、御免なれ。