ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』

ミランダ・ジュライ(Miranda July)の事が少し前から気になっていました。

面白そうな小説を書く人だと思って、Amazonの欲しいものリストに放り込んだまま数ヶ月が経過。昨年末、難波の書店でウロウロしていた際、店員お薦めの書籍として『いちばんここに似合う人』(No One Belongs Here More Than You) がプッシュされているのを見かけて思わず購入しました。

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)
ミランダ・ジュライ

いちばんここに似合う人 (新潮クレスト・ブックス)

数日前に読み始めて、先程読み終わったんですが、これ、ブログに書けないですね(笑)。個人的にはとても楽しめたんですが、ほとんどの物語(短編集なのです)が、性的な事件を介して主人公の心情を描くスタイルなんです。

んじゃ書くなよ、と言われそうなんですが、着想だけでもご紹介しようかと思う次第。

Amazonの紹介文を引用します。

水が一滴もない土地で、老人たちに洗面器一つで水泳を教えようとする娘(「水泳チーム」)。英国のウィリアム王子をめぐる妄想で頭がはちきれそうな中年女(「マジェスティ」)。会ったこともない友人の妹に、本気で恋焦がれる老人(「妹」)―。孤独な魂たちが束の間放つ生の火花を、切なく鮮やかに写し取る、16の物語。

ね、読んでみたくなりませんか?

どの短篇も主人公は孤独をひきずる人ばかり。精神を病んでいるというような深刻さはないんですが、どうも社会との関係がうまく保てていない、不器用かつどんくさい人たちです。

その人達が、妙な性的ファンタジーに翻弄されたり、無用な男女間のトラブルに巻き込まれたりするんですが、描写にはどことなく醒めた感じがあります。性的な事柄を描いても、ミランダの筆はウェットになりません。いつもドライな感覚を持っています。主人公と筆者の距離が近いように見せかけて、じつはかなり遠くから客観視していると言いましょうか。

ミランダは、そもそも音楽活動をしたり、映画を撮ったり(国際映画祭で賞を獲得している)という人なので、描写が映像的だということも言えるでしょう。ただ、この『いちばんここに似合う人』は、映像化されたら確実に18禁。いくつかは絶対に見たくないような映像になりそう。おじさん同士が……って、吐きそうです(笑)。小説の方がいいかな。

塾ブログという性質上、どの話も肝要な部分が紹介できなくてとても申し訳ないんですけれど、気になる方はどうぞ。

<追記>
彼女のTwitterを調べてみると、新作が数日前に出たばかりのようですね。『The First Badman』。また翻訳されたら読んでみよう。