ああ、これは良い漫画だなと。さっき Togetter で知ったばかりの漫画なんですけれども。
絹田みや作品集「友達だった人」のことです。
この漫画に出てくる人たちを見て、ふと「淡交」という言葉が浮かびました。
人間の縁って不思議なものだなとよく思うんですよね。一時期は毎日のように会っていたのに、今では全く疎遠になっていてどこでどうしているかも知らない人がいるかと思えば、時々しか会わないのに何となく何年も楽しくお付き合いさせていただいている方がいたり。
一生懸命人との縁を維持しようというタイプではなく(すみません)、去る者は追わず来るものは(あんまり)拒まずというスタンスなので、ずいぶん不義理なヤツだと思われているかもしれないんですが、まあ今更どうしようもありません。
ただ、今までの乏しい人生経験からすると、濃密な付き合いではなく、淡い交わりだからこそより深く通じあうということが人間にはあると思うんですよね。
荘子に「君子之交淡若水、小人之交甘若醴」という言葉がありまして。
「君子(徳のある人)の人付き合いは水のようにあっさりとしていて長続きする、小人(つまらぬ人)の人付き合いは醴(レイ、甘酒のこと)のように甘くベタついてだらしない」といった意味ですが、本当にそうだなと思います。お互いに独立した精神の持ち主であれば、自ずと節度を保った付き合いになるはずですしね。先述の「淡交」という熟語はこの荘子の言葉から来ています。
またそのうち買って読もうと思います。というか、もうアマゾンでポチりました(笑)。
無粋かもしれませんが、こういうシチュエーションの小説、中学入試に出てきてもまったく不自然ではありません。今の中学入試問題は、受験生に「大人」であることを求めますから。どの登場人物の感情を説明させても、いい問題になりそうな気がします。
向田邦子テイストがお好きな方なんかも楽しめると思いますよ。
「1話期間限定無料公開」とのことなので、ご興味のある方はぜひお早めにどうぞ。
友達だった人 – | COMIC熱帯|もう一度、読みたくなる
https://www.comicnettai.com/book/779

