読書記 2010年7月

ブログに書きたい話はいくらでもあるんですが、なかなか時間がとれません。仕事も大事だし、育児も大事。空き時間があったら勉強もしたいし、読書もしたい。そうそう、聴くべき音楽もいくらでもある……。

なんて事を言っているうちに人生というのは終わってしまうんでしょうか。しみじみ。生きている間に少しでも色々な物に触れておきたいですね。「命短し読書せよオッサン」というところです(字余りしすぎ)。

今月読んだ本で特に面白かったのは、次の二冊。

文福茶釜
黒川博行
文福茶釜 (文春文庫)

古美術商の虚々実々の駆け引きが主題。個人的には骨董品に何の興味もありませんが(ただのガラクタにしか見えない)、古美術商の弁舌巧みなこと!人をだましたい人には最適な本かもしれません(笑)。弁舌巧みに人をだます人間が、最後に裏をかかれて泣きを見るというのもまた楽しい。

ラッキーマン
マイケル・J・フォックス
ラッキーマン (ソフトバンク文庫)

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名なマイケル・J・フォックスの自叙伝です。ご存知の方も多いとは思いますが、マイケルは若くしてパーキンソン病に罹患し、現在も闘病を続けています。生い立ち、家族への思い、商業的成功、発病、患者団体の立ち上げ。彼自身が謝辞の中で述べていますが、これはゴーストライターが書ける文章でも内容でもありません。彼自身から生み出された言葉は、知的で力強く、誠意に溢れています。お涙頂戴の安っぽいドラマなんてここには何一つありません。

病を得て、精神的に満ち足りることを知った自分を「ラッキーマン」と称するマイケル。決して強がりでないことは、この本を読めば自ずと理解されます。何と強い人間だろう。

こちらについては、是非是非、別記事にしたいと思います。