高齢者の運転について

コロナが流行りだしてから、バイクや自動車に乗る機会がかなり増えました。もとからあまり電車に乗る機会のない生活スタイルでしたが、考えてみるともう丸2年電車には乗っていません。なんか乗り方を忘れそうな。

高校生の頃から公道での運転を始めましたが、その頃(昭和60年代です)に比べて、明らかに変わったことの一つとして、「運転者中における高齢者の比率」が挙げられるんじゃないかと思います。もちろん高齢者の比率が増大してきているわけです。

調べればデータもあると思いますが、公道を走っていて肌で感じる事柄でもあるんですよね。なんか危うげな運転だなと思って運転手を見ると、ご高齢の方がハンドルを握っていらっしゃるなんてケースが昔よりずいぶん増えた気がします。ニュースでもアクセルとブレーキの踏み間違い事故が毎日のように報じられています(いわゆる「ダイナミック入店」)。

私は田舎道や農道・林道を走るのが好きなので、ご高齢の方の運転する軽トラックによく遭遇するんですが、都市部よりも危うい運転の比率が高いイメージがあります。ウインカーを出さずに右折左折するのは日常茶飯事ですが、右折のウインカーを出しながら、左折していく軽トラなんてのもよく見かけます(笑)。

先日、田舎のコンビニでコーヒーを飲んだ後、自分のバイクに向かって歩いていると、お歳の頃八十代と思しき女性の運転する軽トラが駐車場に入ってきました。正直、とても危うげな運転です。突進される可能性があるので注意して見ていましたが、うまく駐車枠に止まれたようです。ホッ、よかった。

その高齢女性、駐車後すぐに車から降りようとなさったんですが、その駐車場、少し傾斜がついていました(ヘッド側が高くなっていてテール側が低くなっている)。運転される方はご存知かと思いますが、降車時にはサイドブレーキを引いておく必要があります。加えて傾斜地ならギアを一速に入れておくべきです。

この女性、サイドブレーキもギアを一速に入れることも失念なさっていたようで、体が自動車から半分出た時点で、自動車が徐々に動き出しました。体が運転席から半分出ているので、咄嗟にブレーキを踏むこともできず、自動車から出た右足を地面につけてバタバタと必死に車を止めようとなさっています。危ない!

ヘルメットを置いて駆けつけました。軽トラは軽いので、高齢女性を含めても、成人男性一人で止めることが可能です。

「大丈夫ですか?僕が車を押さえて止めときますから、サイドブレーキを引いてください!」

「あ、あ、ありがと!サイドブレーキって……?」

「その左側にある引き上げる棒みたいなやつです。引けますか?」

「え?え?え?(動転なさっていてわからない模様)」

「ちょっと失礼しますね!」

そう言って、おばあさんに覆いかぶさる感じになって、車内のサイドブレーキを私の方で引かせてもらいました。

「はぁ〜よかった〜びっくりした〜ありがとうね〜。」

「ご無事で良かったですよ。今度から停車なさるときは必ず横のブレーキを引いてくださいね〜。」

って、実はこういう案件初めてじゃないんですよね……。こうした方が増えるにつれて、公道の危険性は増してきているように思います。自分の身は自分で守るしかありません。


ついでにもう一つ。以前(コロナ禍以前の話です)、妻・母・息子と私の4人でタクシーに乗車した時のこと。タクシーの運転手さんって、かなり高齢化が進んでいるようにお見受けしますが、この日の運転手さんもかなりご高齢の方でした。

運転自体にそれほど不安は感じませんでしたが、疑り深い私は人の運転する車に乗っていても、絶対に道路状況から目を離しません。家の近所の幹線道路で車が右折レーンに入ったときも、対向車の流れを見ておりました。2車線+右折レーンの片側3車線の道路です。

大きめの交差点での右折タイミングは、乗っているマシンの性能や運転手の感性によるところもありますが、何よりも「対向車の速度」が大きな判断基準になるはず。つまり、向かってくる車が速ければ速いほど、すぐに右折せず次のタイミングを待たねばなりません。

で、このご高齢の運転手さん、かなり高速で接近してきていた車の直前で、つまり一番右折してはいけないタイミングで強引に右折を始めました!その時、私は助手席に乗っていたんですが、思わず「無理無理!」と口走り、タクシーの横っ腹に衝突される覚悟をしました。衝突されれば運転手側じゃなくて助手席側に大きなダメージが来るパターンです。

案の定、対向車から鬼のようにクラクションを鳴らされましたが、ちゃんと右折車のタイミングを見ているドライバーで、交差点内で急停車してくれました。対向車ドライバーありがとう。You saved our lives.

窓を開けて怒鳴られたのだったかどうかは覚えていませんが、こんな運転、怒鳴られても当然です。自分だけじゃなくて乗客や対向車の乗員までも危険にさらしているわけですから。普段、運転手さんに文句を言うことなんてないんですが、この際はさすがに苦言を呈さざるを得ませんでした。

自分もいつかはこうした運転をしてしまうのかもしれませんが、そうなる前に自発的に運転を辞める勇気も必要だなと思います。とりあえず今のところは「高齢者の自覚なき危険運転」に気をつけて運転・生活するしかありません。皆様も重々お気を付けくださいね。