深夜のコンビニエンスストア

塾稼業をしておりますと、何やかやと経費の支払いがあります。郵便局に行って支払ったり、銀行に行って支払ったり。最近はオンライン支払いも増えたので少し楽にはなりましたが、やっぱりそれなりに現金支払いもあります。

昔は営業時間内に出向かないといけないのが面倒でしたが、いつからかコンビニ支払いも増えました。昼間に行くと買い物するお客さんの邪魔になるので、大抵の場合は深夜にコンビニにでかけます。さっきも支払いに行ってきました、文房具関連の支払い。時刻は午前3時。

大抵の場合、商品整理をしていたり、バックヤードで仕事していたり、おにぎりかなんかの搬入手伝いをしていたりで、店員さんはレジにいません。すいませ〜んと呼んで応対してもらいます。「この人いっつも深夜に来て支払いだけして帰っていくよな〜、何の仕事してるんだろ?」と思われていそうですが、ドンマイ(笑)。

店員さんの構成は多国籍。日本人らしき人がいることもありますが、外国から来たと思しき人が対応してくれることも結構あります。外国からわざわざ日本なんかに来てくれて、深夜に働いてくれている。本当に大変だなと思いつつ「頑張ってくださいね」と心のなかで声をかけます。

わざわざ、どちらかというとマイナーな(そして今後利用価値の減じていきそうな)日本語を学んでくれて、一生懸命深夜まで頑張ってくれる。日本語に少なからずこだわりのある私からすると、本当にありがたい人たちだと心から思えて仕方がないんですよね。


当塾のそばに、日本語学校がございまして、お昼ごろに前を通りかかると、授業を終えたと思しき若者が多数校舎から出てきます。前の道は色々な国籍の若者たちで溢れかえるんですが、これだけの外国人が日本語を学んでくれていると思うと、私なんかは有り難さで胸が一杯になります。日本語を選んでくれてありがとうっ!日本語を勉強してくれてありがとうっ!(感涙)。

もちろん、そんな感情はおくびにも出さず知らんふりして通り過ぎるんですけどね。コロナ禍でそうした風景はしばらく見ていませんが、また戻って欲しい風景の一つ。

いつだったか、今日と同じく深夜にコンビニに出向いた時の話。上述の日本語学校がある関係か、近隣コンビニの深夜店員には外国の方が多いんですが、その日は(見た目で判断する限り)日本人の若者と、インド系の若者が二人でレジに立っていました。

外から客のいない店内を見ると、レジの二人がなにやら楽しそうに話し合っているのが分かります。若者らしく他愛のない話をして軽くじゃれあっている感じです。何というか、すごく和やかなムード。

私が入店すると、二人とも一転真面目な顔に。インド系の若者が私に応対してくれたんですが、微笑みの名残が顔に残っていると申しますか、なんだか平和なムードがありました。私も思わず微笑んでしまいます。何、ここ。微笑みの国?(笑)

若者達のこういう肩肘をはらない付き合いが本当の国際交流かもしれないな、なんて思うのは、私がおっさんだからかもしれません。でも、外国の人が母国に帰って「日本って楽しい人が多かったな、いい国だったな」なんて思ってくれたら嬉しいですよね。

外国の人が対応してくれる店を悪し様に言う人もいるようですが、一回あなたもどこか外国に行って、その国の言葉を学んで、深夜に働いてみたらどうですか?と言いたくなります。

「仲良きことは美しきかな」(by武者小路実篤)というのは、インターナショナルな時代にも生きている言葉だと思います。