コメダ珈琲店遭難記

緊急事態宣言発令中とあって、なかなか自由な行動がしにくい日々が続きます。映画館に行っても大丈夫だろうか、外食は避けた方が無難だな、バイクで山道を走るのはまあいいか、なんて感じで感染リスクを考えなくてはならない日々はいつまで続くんでしょうね。

私は喫茶店でゆっくり読書や勉強をするのが好きですが、これも当節はあまり好ましからざる行為になってきている模様。喫茶店側にも「飲み終わったらサッサと出ていってちょーだい」みたいなムードがあります。

今般の緊急事態宣言発令前、妻の実家に行った帰り道、妻とコメダ珈琲某店前を通りかかると、珍しく人影が少ない。じゃあ入ろっかということで、妻はかき氷を注文しました。私はミニピザを(うめぇ)。

ご存知の方はよくご存知と思いますが、このコメダ珈琲、サイズ詐欺が常態的に行われている喫茶店です。

よくありますよね、ショーウィンドウに飾られていた天丼には立派な海老天が乗っかっていたのに、実際に出てきた天丼にはヒョロッヒョロでモニャモニャの海老天が申し訳程度に乗っかっているようなことが!民事法的には契約無効を主張できそうなことが!(理屈っぽくてすいません。)

しかし、コメダ珈琲のサイズ詐欺は「逆」サイズ詐欺なんです。ミニサイズでもかなり大きく、レギュラーサイズになると大の大人でも食べきるのが苦しかったりします。「小腹が空いたらこれ!」なんていうメニューの惹句に惑わされてはなりません。「大腹が空いていても無理なサイズ」をシレッと供してきたりする恐ろしい(良心的な)お店なのです。

私たちは時々コメダに行くので、そのあたりを熟知していますが、この日は猛暑日。まあいくらコメダが逆サイズ詐欺を働いても、いや言葉が悪いですね、ビッグサイズを出してくるとしても、二人で食べるんだし、まあ大丈夫だろうと高をくくっていました。そうだな〜、レギュラーサイズのぶどう味なんて美味しそうだね、ソフトクリームもトッピングしよっか!きゃいきゃい。

今、その時の私たちを叱りつけたい気分で一杯です。バカバカバカッ!

出てきたかき氷、大きい。とにかく大きい。詩的に言えば(言わなくてもいいですが)、チョモランマ的偉容を以て我等二人を睥睨する葡萄味の氷山。

比較するものがないので分かりにくいんですが、めちゃくちゃ大きいんですよ、これが。

二人で突くんですが、全然減らねえっ!妻は早々に下山を宣言します。「私もういいわ、あとは食べてね。」

我一人勇を鼓して匙を動かすも、とりわけ冷房の効いた席だったこともあり、猛烈に身体が冷却されてゆきます。寒い……寒い……。半ば義務的に氷の山を崩して口に運びますが、冬山で遭難しつつある気分が高まってゆきます。

思わず「天は、天は我々を見放したっ!」と映画『八甲田山』のセリフ(by北大路欣也)を口にしますが、妻は呑気に本を読んでいます。無視しないでくれぇぇ。

あまりの寒さに一旦私だけ店外に出て直射日光ぼっこ(笑)。灼熱の太陽にさらされて約十分、ようやく人心地つきました。店内に復帰して再び氷山と格闘しなんとか平らげたりっ!

残した方が賢い?うん、そうですね、私もそう思います。でも何となく残すのも悪いですしね(単なる貧乏性)。

アドバイス:コメダ珈琲店のレギュラーサイズかき氷は4人以上で食べるべし。

以上、コメダ珈琲店遭難記でした。

「八甲田山」予告編
今見てみると、すごく豪華な俳優陣ですね。私はこの映画を見たことはないんですが、小学校の時の担任の先生が授業中にこの話を熱くして下さったのを今でも覚えています。来たる日露戦線に備えた行軍演習が生んだ史上最悪の遭難劇。