超一流の人の言葉

先般のイチローの引退会見。全部見たわけではありませんが、やっぱり超一流の選手は違うなと思わせられます。

何が違うって、インタビューへの回答を、すべて自分の頭で考えて、自分の言葉で語っているんですよね。そこに紋切型の表現は皆無です。

どんな世界でもそうだと思うんですが、トップランナーって自分の前に誰もいない、つまり、手本とすべき存在がいないはず。自ずと、自分の頭で考え、それを自分の言葉で表現してゆくしかなくなる。

そんな意味で、世界のトップを走る超一流の人たちが、独自の言葉を語る・操るのは故無きことではないと思うんですよね。スケートの羽生結弦選手の強さの秘訣は、自分の課題を極めて的確に言語化できるところにあると聞いたことがありますが、それも同じ根から出てきているんでしょう(もちろん他の要素もあるとは思いますが)。

私の好きな世界で言えば、史上最強のMotoGPレーサーと呼ばれる、ヴァレンティーノ・ロッシ。彼のニックネームは「The Doctor」。この呼び名は、マシンの問題点を極めて正確に把握し、それを的確に言語化してメカニックに伝達できる能力(つまりマシンの開発能力ですね)によるんですが、これも根は同じなのではないかと。

各分野の超一流どころは、やっぱり操る言葉も超一流。

Valentino Rossi: The Doctor – Series TRAILER