秋に聴きたい音楽三選

気がつけばすっかり秋。そろそろ夏物の服と秋冬物の服を入れ替えないとならないんですが、どうも面倒でいまだにポロシャツで授業をしています。副代表には「季節感のないヤツ」と嘲笑されるんですが、それは違う。「所有する服が異常に少ないヤツ」って言って欲しいなあ。って、どうでもいい話ですね。

さて、私、文学や音楽の面では季節感を重視していまして、夏には夏の音楽、秋には秋の音楽を聴くのが大好きです。そういえば、夏の暑苦しい音楽については以前も記事を書きました。

暑苦しい音楽 Part1:国語塾・宮田塾のブログ
暑苦しい音楽 Part2:国語塾・宮田塾のブログ

今日は秋を思わせる音楽を何曲かご紹介。

まずは超有名曲。ほとんどの方がどこかで耳にしたことがある曲じゃないかと思います。元はレオン・ラッセル(Leon Russell)の曲ですが、私にとってはダニー・ハサウェイ(Donny Hathaway)の曲。レオン版より先にダニー版に慣れ親しんできたんですよね。レオンのよれよれ感が出た方も好きなんですが(リンクはこちら)、丁寧で繊細な歌い口のダニー版の方をよく聴いています。ダニー・ハサウェイは少し線の細い人で、33歳の時に自ら命を絶ってしまうんですが、とても勿体ない話です。

Donny Hathaway – A Song For You

グラム・パーソンズ(Gram Parsons)。そう言えば、この人も若くしてなくなっています(享年26)。この曲は、メロディだけでなく、アメリカ南部の黒人労働者を題材にしていると思われる歌詞が、強い寂寥感を描き出します。アメリカ南部の綿花畑に沈みゆく夕陽を眺める彼女。人夫小屋で神に祈る彼女。霊歌を歌う彼女。

Gram Parsons – She

10月といえば収穫の月。この「Harvest Moon」、元はニール・ヤング(Neil Young)の曲。カサンドラ・ウィルソンのヴァージョンと甲乙付けがたいんですが、今回は瑞々しさが心を打つ後者で。歌詞がとても良いんですよね。特に長く連れ添った夫婦には沁みる歌詞なんです。和訳(意訳)は私。

Come a little bit closer
Hear what I have to say
Just like children sleepin’
We could dream this night away

もう少し近くに寄りなよ
伝えておきたいことがあるんだ
子ども達が眠っているように
二人でゆっくりと眠るのもいいけれど

But there’s a full moon risin’
Let’s go dancin’ in the light
We know where the musics playin’
Let’s go out and feel the night

空には満月
月明かりの下で踊ろうよ
音楽だって用意してあるよ
さあ表に出て夜を感じよう

Because I’m still in love with you
I want to see you dance again
Because I’m still in love with you
On this harvest moon

だって今でも君を愛しているんだ
昔みたいに君のダンスを見たいよ
だって今でも君を愛しているんだ
こんな収穫の満月の夜には

子どもがまだ小さいようなので、想定されているのは20代、いや30〜40代の夫婦でしょうか。でも、私は酸いも甘いもかみ分けた老夫が年老いた妻に話しかけているシーンを(勝手に)想像します。君には苦労を掛けたよね、いえ、あなたとなら苦労も楽しかったわ、なんて感じで。いつかは自分もそういう夫婦になれればと思うんですが、道は遠いぜ(笑)。

Cassandra Wilson – Harvest Moon