少し前、小学低学年の国語を指導していて、こんな問題に出会いました。
問題:「意外」の同義語を書きなさい。
生徒の解答はうろ覚えなんですが、「思外」か「考外」のいずれかだったと思います。いずれにせよ間違いなんですが、センスのいい誤答だと思いました。
「意」とは「考え」のことだから、同じような意味の「思」や「考」で書いてみようという考えですね。小学低学年ということもあって、「間違いだけど、とてもいい間違いだよ、そんな風に考えるのは、漢字の力がある証拠だよ」と褒めて、正解を提示しました。
「意外」とだいたい同じ意味になる言葉として「案外」という熟語があるよ。「案」っていう漢字も「考え」という意味があるんだよ。だからどちらも「考えの外→考えていなかったこと」を表す言葉になるんだよ。
ほら、田原俊彦っていうアイドルがいるだろう?「悩み事を隠すの 案外下手だね」って歌ってるよね。あれは、「なやみごとをかくすのが、思っていたのとちがってヘタだね」という事なんだよ。
ターラー タラッタターラー ターラー タラッタターラー とトシちゃんの踊りを真似つつ指導しました……なんてのはウソですが、私の頭の中で瞬時に思い出されたのは、上記の歌詞。
だいたい、今どきの小学低学年が田原俊彦を知っていたら恐いので、そんな名前や歌はおくびにも出しませんが、この歌詞でメロディーが即座に浮かぶあなた、さては40〜50代の方ですね?
上記の曲、「抱きしめてtonight」という曲なんですが、私が中学生から高校生の頃に流行った歌謡曲じゃなかったかなと思います。
実は私、ちょっとひねた中学生でしたので、その頃は欧米のロックやソウルばかりを聴いていて、歌謡曲を小馬鹿にしていました。やれ「歌唱力に乏しい」、やれ「商業主義的すぎる」、やれ「大人が聞くに値しない」などと屁理屈をこねていたんですよね。だいたい、お前子どもだろうと(笑)。中二病的黒歴史でございます。
それ以降も歌謡曲に親しむ機会はあまりなく、少し(少しだけね)マニアックな音楽を聴く道をたどり続けて幾星霜。今は、歌謡曲にも優れたものがあることは大いに理解しているつもりですし、実際好きな曲もあるわけですが、やはり、歌謡曲関連の知識は乏しい。
ただ、中学生〜高校生の頃はそれなりにテレビも見ていましたし、友人達もよく歌謡曲の話題を持ち出しましたから、その時代の知識だけは比較的マシなんですよね。
先日も、新規の生徒さんが初々しいムードで勉強しているのを見て、授業終了後、「フレッシュ フレッシュ フレッシュ」(by松田聖子)っていう感じだね〜と副代表に言うと、「40年前からタイムスリップしてきたのか」と冷笑されました。別にいいじゃんかよ〜!確かにおっさんくさいのを越えて時代掛かっているけどさ(笑)。
ちなみに、「抱きしめてtonight」ってこんな曲です。
久々にちゃんと見たんですが、トシちゃんの踊り、キレキレでいいですね。バックダンサーのレベルも高いし。歌唱はまあアレですが、途中でカリプソ調に一転する構成がいいんですよね。そうした節操のなさがいい味を出していて、さすがは筒美京平だなと。
田原俊彦 抱きしめてtonight
あ、全く国語と関係ない方向に話が飛んでしまいましたね。
「意外」の同義語は、小学高学年なら、「慮外(りょがい)」「存外(ぞんがい)」なんて語も知っておくといいですね。
と、無理やり国語方面に話を戻しておこう。