羽生結弦のご両親と名付け

冬季オリンピックも閉幕しました。少し前にも書いた通り、あまりフィギュアスケートには興味がないんですが、今大会の報道を色々と見ていると、羽生君と宇野君、キャラがあまりに立ちすぎ。なんか、私の好きな少女漫画っぽいなと(笑)。

妻から羽生君のご両親の話はよく聞いていたんですが、いや、本当に素晴らしいご両親・ご親族だと思います。何が素晴らしいって、一切表に出てこないところがいい。

そうなんですよね、頑張っているのはあくまで本人なのであって、両親がしゃしゃり出てくる必要は何もない。バンザーイと言いながら涙を流すご両親、なんていう絵も悪くはないと思うんですよ。ただ、それ以上に前にグイグイ出てくるのって、すごく不細工だと思うんですよね。

特に、メダリストの親なんかが書いた「天才○○を育てた教育法!」みたいな本に至っては、噴飯ものだと個人的には思っておりまして、一度も手にしたことがありません。頑張ったのは本人だよ、保護者がその頑張りをバックアップするのは当たり前のことで、わざわざ書籍にするほどのことじゃないんじゃない、なんて思ってしまう。

その点、頑ななまでに表に出ておいでにならない羽生君のご両親には深い敬意を覚えます。お父様は中学校の先生をなさっている(いた?)そうですが、堅実な考え方や謙虚なところが、羽生君にも大きな影響を与えているんじゃないでしょうか。


私が特にご両親の知性を感じるのは、彼の「結弦(ゆづる)」という名前なんですよね。本当にいい名付けだと思います。その根拠は下記の通り。

1.漢語的に見てしっかりと文法にしたがっている

「動詞+目的語」という漢文法に則っています。

2.喚起されるイメージが大変美しくしなやか

「弦を結う」という動作から、直線(弦)と曲線(結う)のイメージが同時に織りなされます。

3.音韻が美しい

柔らかな「ヤ行」から始まって快活な「ラ行」で終えるセンス。しかも母音だけを拾うと「ウ・ウ・ウ」という狭母音なんです。あくまでも私の感覚ですが、狭母音を重ねると「研ぎ澄まされた強い意志」を表しやすいと思うんですよね。

4.姓とのつながりが良い

3とも関連しますが、ha/nyu→yu/du/ru の流れ、特に「nyu→yu」の流れがすごくいい。鼻音と半母音の柔らかな流れ。

実際のところ、どなたが羽生君の名付けをなさったのかは知りませんが、ご両親の姿勢などを勘案するに、名付けがご両親(のうちのどちらか)であるのは間違いないような気がします。

いずれにせよ、少女漫画のキャラのような羽生君に本当にふさわしい名前ですね。イケメン、性格良し、世界最高峰の実力、しかも名前まで美麗とあっては、そりゃ、世の女性が夢中になるのも納得です。

なお、羽生選手のご親族の方々については、下記の少し古い記事を参照しました。

天才・羽生結弦を育てた「羽生家の家訓」決して表に出ない両親、祖母、叔母らが明かした新事実
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41840