J.S.バッハと地球外知的生命体

タイトルは変わりましたが、「地球が静止する日」の続きです。

もう一つ興味深かったシーン。このヒロインがエイリアンを説得しようと、恩師(ノーベル賞学者)の自宅へ彼を連れて行きます。彼の自宅に入ると、J.S.バッハが流れています。ゴルトベルク変奏曲の冒頭部(アリア)です。バッハが好きな私も妻もニヤリ。

偉大な学者との会話の中で、徐々に(彼らからすると)低レベルな人類にも、知性らしきものがあることを認識し始めるエイリアン。そして、BGMのゴルトベルク変奏曲はアリアから第一変奏へと移ります。その時、キアヌ演じるエイリアンがスピーカーを見つめ、こう言います。

「美しい…。」

思わず膝を打ちたくなる演出です。

ゴルトベルク変奏曲をご存知の方も多いかもしれませんが、ゆったりとしたアリアから、第一変奏に移る瞬間の、あのゾクッとする感覚、しなやかに人間の魂が飛び立つような感覚。地球外の生命が人間の知性を感じるという、このシーンにピッタリです。

もし、人間より高度な生命体が存在して、必死で人間の音楽性(知性)を誇示する必要があるとすれば、バッハを持ち出すしかないのではないか、という気がします。

実際、ボイジャーが地球外知的生命体用に載せているレコードには、J.S.バッハが数曲が収められています。

ブランデンブルク協奏曲
無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ
平均律クラヴィーア曲集

他にもクラシックからは、ベートーヴェン(2曲)、モーツァルト(1曲)、ストラヴィンスキー(1曲)が選ばれているようです。

ポピュラーからは、チャック・ベリー、ルイ・アームストロング、ブラインド・ウィリー・ジョンソン。

随分話がそれてきましたが、バッハはいいよね、ということでおしまいです(笑)。